若手研究者インターナショナル・トレーニング・プログラム (ITP)
地球資源・環境系国際的若手研究者育成のためのアジアにおける研究拠点形成
趣旨・概要
アジアと世界の研究機関を結ぶ資源・環境系人材ネットワークの構築

人類が抱える最重要課題として、資源問題が「入り口」として、地球環境問題が「出口」として存在している。とくに、発展を続けるアジアにおける資源・エネルギー消費量の急激な増大は資源枯渇や地球環境に大きな影を投げかけている。したがって、アジアでの取組みが問題解決の“キー”となっている
本事業は、日本が先進国の一員として果すべき地球資源・環境問題の研究に携わる若手研究者と技術者の育成を世界の先端研究機関との連携によって推進することにより、九州大学大学院工学研究院地球資源・環境系をアジアと世界を結ぶ拠点研究機関として強化し、日本を含むアジアの若手研究者を国際的連携の中でトレーニングすることを目標としている。とくに、9つの特色ある先端研究拠点(ルンド大学、環境システム研究所(株)、ニューハンプシャー大学、アルバータ大学、デュースブルグ-エッセン大学、オストラバ工科大学、バーミンガム大学、レッドランズ大学、バンドン工科大学)との連携強化による学術的な研鑽と、アジアの一員としてアジアという場で生じている地球資源・環境問題の解決をめざした研究やトレーニング機会を組織的なプログラムとして若手研究者に提示する。
本事業によって、グローバルな視点から地球資源と環境に寄与できる若手研究者および技術者を養成し、国際的連携を考慮した人材ネットワークの構築を推進する。

趣旨

九州大学大学院工学研究院・地球資源・環境系(建設デザイン部門、建設都市部門、地球資源システム工学部門)は、日本学術振興会が推進する「若手研究者インターナショナル・トレーニング・プログラム(ITP)」の平成20— 24年度(最大)の事業組織として採択されました。
事業課題名は、
「地球資源・環境系国際的若手研究者育成のためのアジアにおける研究拠点形成」です。
ITPプログラムの趣旨については、以下のとおりです。
「独立行政法人日本学術振興会は、平成19年度より『若手研究者インターナショナル・トレーニング・プログラム(ITP)』を新たに実施しました。我が国の大学院学生(博士課程、修士課程)、ポスドク、助教等の若手研究者が海外で活躍・研鑽する機会の充実強化を目指します。この目的達成のため、本事業は、我が国の大学が、一つないし複数の海外パートナー機関(大学、研究機関、企業等)と組織的に連携し、若手研究者が海外において一定期間教育研究活動に専念する機会を提供することを支援します。」
(http://www.jsps.go.jp/j-itp/index.html)

海外研究機関であるスウェーデン・ルンド大学工学部、米国・環境システム研究所(株)国際オフィス、ニューハンプシャー大学資源リサイクルセンター、アルバータ大学鉱山石油スクール、デュースブルグ-エッセン大学、オストラバ工科大学、バーミンガム大学、レッドランズ大学、バンドン工科大学をパートナー機関とし、それらの機関に年1〜3名程度の若手研究者(助教、学術研究員、博士後期課程学生、修士課程学生)を派遣します。この派遣期間における内容は以下のようなものです。

  1. 派遣期間中に国際学会や派遣機関での英語による研究発表、英文論文誌への論文原稿の執筆を実施する。
  2. 海外研究機関の教員と連携し、地球資源および環境に関わる研究、研修、インターンシップに従事する。
  3. 地球資源・環境系と上記パートナーが推進する共同研究の担い手となる。狭義の研究者としてだけではなく、派遣研究機関の教員や学生などと、アジアにおける資源と環境に関わる問題などについて積極的にコミュニケーションを図り、地球資源と環境に関するグローバルな視点の形成を行う。

5年間の事業成果

平成20年度からの5年間にわたる若手研究者の派遣事業の運営を行い、延べ49名の若手研究者の2か月〜1年間に渡る海外協力機関に派遣する事業を展開した。この派遣者数は本事業の申請時における予定派遣者数である23名に比較するとほぼ2倍強に相当し、海外で活躍できる若手研究者の育成に関わる目標を達成することができた。また、過去5年間にわたり各年度に開催した(共同企画)International Symposium on Earth Science and Technologyでは、多くの若手研究者の英語による論文発表(約500課題)がなされた。平成24年度にはインドネシア・バンドン工科大学で開催され、九州大学からは教員10名および助教2名を含む若手研究者35名が参加し、今後の若手研究者の研鑽と育成のためのアジア・アフリカにおける資源関連分野の国際シンポジウムとして継続されることが確認された。
この派遣事業開始から2年目に九州大学工学系国際交流支援室が設置されており、若手研究者の海外派遣のサポート支援体制およびダブルディグリープログラムによる大学院修士課程学生の派遣が本事業終了後も継続されるている。

5年間の事業成果

地球科学技術に関わる国際連携ネットワーク(Cooperative International Network for Earth Science and Technology, CINEST)は、九州大学工学研究院JSPS-若手研究者インターナショナル・トレーニングプログラム「地球資源・環境系国際的若手研究者育成のためのアジアにおける研究拠点形成」と連携し、その最終的な目標である「地球資源と環境分野におけるグローバルな課題解決に寄与する若手研究者の養成とそれに関わるアジアと世界を結ぶ国際的なネットワークの構築」を目的として10カ国、13研究機関に所属するメンバーで設立された。とくに、若手研究者の研究成果発表の場として「地球科学技術に関わる国際シンポジウム」をオーガナイズし、その運営を通じた協力関係を構築してきている。


 主担当教員
 佐々木久郎